「今日こそ片付けよう!」
そう決意して休日を迎えても、山積みの家事や仕事の残務に追われ、気づけば1日が終わっている…。
そんな経験、ありませんか?
私自身、仕事と家事の両立に追われる毎日の中で、「片付けたい」という思いと裏腹に、モノは増える一方でした。
セールで買ったまま使っていない洋服、
いつか使うかもと取っておいた雑貨、
断捨離しようと集めたまま放置された段ボール箱…。
そんな私が、本当の意味での「モノを減らす」ことに目覚めたのは、ある日の残業後のことです。
疲れて帰宅した私を出迎えたのは、物であふれた部屋。その光景を見て、ふと気づいたのです。
「このモノの多さが、私の時間と心の余裕を奪っているのでは?」
今回は、仕事と家事に忙しい方のために、無理なくモノを減らしていける具体的な方法をお伝えします。
目指すのは、完璧な部屋づくりではありません。
毎日をもっと楽に、そして心地よく過ごすための部屋作り。
きっと、あなたにとって、大切な時間と心の余裕が生まれるはずです。
なぜ今、モノを減らすべきなのか

出典:o-dan.net/ja/
仕事と家事に忙しい私たちを取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。
共働き世帯が増え、仕事と家庭の両立は当たり前に。さらに将来への不安も高まる中、限られた時間とお金を、より賢く使う必要に迫られています。
では、なぜモノを減らすことが、これらの課題解決につながるのでしょうか?
まず、モノを減らすことで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
モノを減らして得られる3つのメリット
①時間の創出
以前の私は、朝の準備に予想以上の時間を取られていました。クローゼットの前で洋服選びに悩み、やっと決めた服がシワだらけで慌ててアイロンをかける…。
そんな朝の混乱が、モノを減らしたことでスッキリと変化したのです。
今では、どの服を選んでも間違いのないクローゼットになり、身支度の時間が大幅に短縮。掃除も、モノが少なくなったことで拭き掃除中心の簡単な手順で済むようになりました。
②心の余裕
「あのファイル、どこに置いたかしら?」
「先日買った化粧品が見つからない…」。
モノが多すぎると、必要な時に必要なものが見つからず、イライラの種になってしまいます。
しかし、本当に必要なものだけを残したことで、探し物の時間とストレスから解放されました。家に帰ってきた時も、すっきりとした空間に心が癒されます。
③家計への好影響

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必要なものを見極める目が養われたことで、衝動買いが激減。
「セールだから」「いつか使うかも」という理由での購入が減り、収納用品を買い足す必要もなくなりました。
さらに、掃除や洗濯の手間が減ったことで、水道光熱費も自然と抑えられるようになっています。
このように、モノを減らすことは、私たちが抱える「時間」「心の余裕」「お金」という3つの課題に、思いがけない効果をもたらしてくれます。
しかし、ここで疑問が浮かぶかもしれません。
「わかってはいるけれど、なぜモノが増え続けてしまうの?」
実は、これには現代を生きる私たち特有の心理が隠れています。
モノが増える心理メカニズム

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仕事で疲れて帰宅した帰り道、ふとスマートフォンでネットショッピングを開いている自分に気づく―。
そんな経験はありませんか?
私自身、仕事でのストレスや疲れを、つい「買い物」で解消しようとしていた時期がありました。
通勤途中に見かけたセール品、SNSで見つけたおしゃれなインテリア、話題の時短家電…
「これがあれば、生活がもっと楽になるはず」
「この服を着れば、気分が上がるはず」
そう信じて購入したものの多くが、結局は使われないまま収納スペースを圧迫していったのです。
特に現代は、スマートフォン一つあれば、いつでもどこでも買い物ができる時代。
さらに、SNSで流れてくる素敵な暮らしの画像は、私たちの購買意欲を否応なくかき立てます。
「あの人のような暮らしがしたい」
「あんな風にスタイリッシュに決めたい」
その気持ちは、新たなモノを求めるエネルギーとなっていきます。
また、共働きの増加により、時間に追われる生活を送る女性が増えているからこそ、「時短」や「便利」をうたう商品の誘惑も強くなっています。
「これがあれば、もっと効率的に家事ができるはず」
そんな期待が、思わぬ衝動買いを生んでしまうのです。
さらに、「もったいない」という感覚も、モノが増える原因の一つとなっています。
「せっかく買ったから」
「いつか使うかもしれないから」
「捨てるならだれかにあげたほうが…」
こうした考えは、一見とても賢明に思えます。
実際、私も長年そう考えてモノを抱え込んできました。
しかし、この「もったいない」という気持ちが、逆に私たちの時間とエネルギーを奪っているのかもしれません。
実践!モノを減らす3ステップ

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では、実際にモノを減らしていくにはどうすればよいのでしょうか。
ここで重要なのは、「収納」から始めないことです。
「収納用品を買って、きれいに整理すれば解決!」
私も以前はそう考えていました。しかし、それは単なる「モノの移動」でしかありません。見えないところに押し込められたモノは、やがて存在すら忘れ、結果的に新しいモノを買い足すという悪循環を生んでしまうのです。
代わりに、まずは「持っているモノを知る」ところから始めましょう。
Step1:モノを把握する
週末の2時間程度、自分の持ち物を見渡してみてください。
この時、「今すぐ片付けなければ」というプレッシャーは不要です。
ただ、自分がどんなモノを持っているのか、客観的に見つめ直すだけでOKです。
きっと、こんな発見があるはずです。
「このブラウス、去年買ったまま着ていなかった…」
「同じような調理器具が3つもある!」
「使い切れていない化粧品がこんなに…」
この「気づき」が、次のステップへの大切な一歩となります。
Step2:基準を決める
モノを減らす際に大切なのは、自分なりの「残すもの」の基準を持つことです。
とはいえ、最初から完璧な基準を作る必要はありません。
私の場合は、まず以下の質問を自分に投げかけることから始めました。
「これは本当に今の私に必要?」
「この1年間で使った?」
「これがないと困る?」
最初は、すべてのモノに「YES」と答えたくなるかもしれません。
それは自然な反応です。
でも、徐々に「実はそうでもない」という気づきが生まれてきます。
例えば、私が最初に手放したのは、タグ付きのまま眠っていた洋服でした。
「いつか着るかも」と思って買った服の多くは、その「いつか」が永遠に来ないことに気づいたのです。
また、キッチンには使用頻度の低い調理器具が溢れていました。
料理好きの私は、「レシピ本に載っていた調理器具」を次々と購入。でも実際には、基本的な道具があれば十分だったのです。
Step3:行動を起こす
ここで大切なのは、一気に完璧を目指さないことです。
例えば、洋服なら「今の季節に着ないもの」は一時的に別の場所へ。
3ヶ月経っても着ていない、または着たいと思わなかった服は、手放す候補として考えてみましょう。
使用頻度が低いものは、一度「仮収納」に移してみるのもおすすめです。
すぐに必要になれば取り出せばいいのです。
案外、多くのモノが、そのまま「不必要なもの」として判断できるようになっていきます。
賢いミニマル生活のコツ

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ここまで、モノを減らすための具体的なステップをご紹介してきました。しかし、「減らす」だけでは、本当の意味での快適な暮らしは実現できません。
大切なのは、自分の生活リズムに合わせた「ちょうどいい」持ち方を見つけることです。
私の場合、まず考えたのは「いつ、どこで、何を使うか」という生活の流れでした。
平日の朝は慌ただしいため、キッチンは「15分で作れる」朝食メニューに必要な道具だけを取り出しやすい場所に。
休日にじっくり料理を楽しむ際に使う道具は、別の引き出しにまとめています。同じキッチンでも、時間帯や目的によって使い分けることで、すっきりと使いやすくなりました。
通勤電車では読書の時間を確保したいので、本はKindleを活用。家では、リラックスしながらゆっくり読みたい大切な本だけを、お気に入りの一冊として紙の本で持つようにしています。
家での仕事も増えた今、リビングの一角を簡易オフィススペースに。オンラインミーティング中によく使う文具は手の届く場所に、それ以外の書類や道具は別の場所に。メリハリをつけることで、仕事モードと家事モードの切り替えもスムーズになりました。
このように、「いつ、どこで、どう使うか」を意識することで、自然と必要なものが見えてきます。大切なのは、全部をなくすことではなく、自分の生活リズムに合った「ちょうどいい」バランスを見つけることなのです。
おわりに

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モノを減らし始めて半年。私の生活は確実に変化しました。
朝の準備時間が短縮され、残業後の掃除も苦にならなくなりました。
何より、「モノに振り回される」ストレスから解放されたことで、自分の時間を持てるようになったのです。
休日は趣味の料理を楽しみ、気になっていた資格の勉強も始めました。シンプルな暮らしは、新しい可能性への扉も開いてくれたのです。
完璧を目指す必要はありません。
まずは小さな一歩から。
あなたらしい「ちょうどいい」暮らしを見つけてください。
きっと、モノが減ることで、人生の豊かさが増えていくはずです。
ライター:大坪えみ
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