仕事や家事、人間関係で忙しい日々。慌ただしい毎日を送っていると、ふと「このままでいいのかな?」とか「明日は大丈夫かな?」なんて考えてしまうこと、ありませんか?
未来のことをあれこれ心配しながら生活していると、余計な心配事ばかりに頭を囚われて、限りある大切な一日がどんどん過ぎていってしまいます。
そんなことを繰り返して、気持ちが疲れ切ってしまっている……そんなときには、どういうことに意識を向けて行動すればいいでしょうか。
この記事では、「一日を区切りにして生きる」という考え方をもとに、今日からでも取り入れられる、生き方のヒントをご紹介します。
不安な毎日から抜け出すために

実は、心配や不安を少しずつ手放して「今」を大切にするだけで、驚くくらい心が軽くなるんです。
アメリカの作家、デール・カーネギーの著書『道は開ける』には、そんなヒントがたくさん詰まっています。
デール・カーネギー(Dale Carnegie)

デール・カーネギー著
『道は開ける』
未来のことを心配していると、ついつい今やるべきことが手につかなくなってしまうこと、ありませんか?たとえば、来週の大事な会議の準備が頭をよぎって、目の前の家事や仕事に集中できない……きっと誰しも一度は経験したことがあると思います。
デール・カーネギーから学べることは、「心配を行動に変える」というシンプルな考え方です。
- 未来のことはコントロールできないけれど、今日の行動が未来を作る
- 今日やることを明確にすることで、不安に振り回されなくなる
未来の不安は、実際に行動を起こして初めて解消することができます。
「心配を行動に変える」ためのポイントととして、日常的に上記のような考え方を意識してみましょう。
「未来を手放す」勇気とスキルを備える

未来のことを心配しないためにまず大事なのは、コントロールできることとできないことをしっかり区別することです。
たとえば、「明日の天気が悪かったらどうしよう」なんて悩んでも、自分自身で天気を変えることはできませんよね。でも、「雨が降ったときのために傘を準備しておこう」というのは、できる行動の一つです。
コントロールできることとできないことを把握して、心配を整理するために、以下の習慣を試してみましょう。
紙に心配事を書き出す
いま心配していることを、大きいものから小さいものまで全部書き出してみます。
その中で「自分にできること」と「できないこと」を仕分けしてみましょう。
自分にできることはそのまま行動し、できないことに対しては、その事柄に自分が対処できる方法を考えてみましょう。
「今」に意識を向ける練習をする
深呼吸をして、今自分がいる場所や周りの音、目の前の景色に意識を向けてみる練習をしてみてください。「風が気持ちいいな」「鳥の声が聞こえるな」と、五感で感じたままの気持ちを言葉にしてみるといいでしょう。
「今」は刻一刻と過ぎていき、その時々で状態が変わっていく。その感覚に意識を向けられるようになると、より今を大切にする気持ちがはっきりと分かるようになります。
最悪のシナリオを考えておく
不安を感じている心配事について、「もし最悪の事態が起きたら?」と考えてみましょう。そして、その結果を受け入れる心の準備をしておきましょう。
あまり想定したくないことではありますが、事前に冷静に想定しておくことができると、不思議と気持ちが軽くなりますよ。
未来を気にしすぎず、今できることに目を向けるだけで、心の負担がぐっと減ります。
ちょっとした工夫ではありますが、こうした練習を日常に取り入れることで、未来の心配から少しずつ解放され、「今」を楽しめるようになります。
今日一日“できることだけ”をやるための方法

今に意識を向けるためのコツが理解できたところで、では具体的にどうやれば「今日だけを生きる」ことが実践できるのでしょうか?すぐに試せる3つの方法をご紹介します。
その1:今日の目標を小さく設定する
朝起きたら、「今日やるべきこと」を3つだけ書き出してみてください。
「朝食後に食器を片付ける」「メールを3通返信する」「30分だけ読書をする」など、具体的で小さな目標にすることがおすすめです。
達成したら、一つひとつ線を引いて消していきましょう。簡単そうに感じますが、このシンプルな作業のお陰で無理せず満足感と達成感を得やすくなります。
その2:やらないことリストを作る
すべてを完璧にやろうとせずに、やらないことを決めて「今日はここまででOK」という線引きをしてみましょう。厳しく自分を律するという意味ではなく、「スマホをダラダラ触らない」とか「明日の仕事のことを考えない」といった内容で大丈夫です。
具体的な内容を決めると、その1で決めた目標にもフォーカスしやすくなりますし、気持ちも楽になりますよ。
その3:感謝の気持ちを持つ
夜寝る前に「今日良かったこと」を3つ思い出してみましょう。どんなに小さなことでもOKです。たとえば、「朝のコーヒーが美味しかった」「職場の同僚と楽しい会話ができた」「猫が膝に乗ってくれた」など、日常の中にある小さな幸せを見つけることが大切です。
これをノートに書き留める習慣にすると、ポジティブな気持ちが積み重なっていき、今日一日の充実感を得られやすくなりますよ。
こういった行動を少しずつ繰り返していき、「今日だけを生きる」という感覚を育んでみてください。
心配しない生き方へ

未来に対する不安を減らすためには、心配事をポジティブに捉えることも大切です。
「この問題を乗り越えれば、自分はきっと成長できる」と考え方を変えてみるだけで、単なる心配だけではなく、やりがいも感じられるようになり、心配事が小さく感じられることもあります。
そして、自分がどれだけ前向きに努力しているかを認めてあげることも忘れないようにしましょう。「心配するのは真剣に向き合っている証拠だ」と捉えて、自分を励ましてみてくださいね。
そのうえで、日常の中に好きなことを楽しむ時間を取り入れてみてください。
お気に入りの音楽を聴いたり、リラックスできるアロマを焚いて本を読んだりすることで、一日の充実感に変化が生まれて、心の負担を軽くすることができますよ。
信頼できる人に心配事を打ち明けてみるのも効果的です。誰かに話すことで自分の考えが整理されて、「意外に取越苦労だったかも?」と思えてきたりすることもあるでしょう。
こうした工夫を少しずつ取り入れて、貴重な一日の時間を心配事に振り回されないように努力してみてくださいね。
目の前の今日一日を大切に

「今日一日を生きる」というシンプルな考え方ができるようになると、余計な心配事から開放されて、日々の暮らしが充実したものになります。
未来のことを心配しすぎるのをやめて、今この瞬間に目を向けるだけで、小さなことに感謝する余裕も生まれます。
忙しい毎日の中で、何気ない瞬間の幸せを見つけられるようになり、その積み重ねがこの先の暮らしにおいて大きな安心感と満足感につながっていきますよ。
「今日を生きる」ことは、目の前の人や自分自身を大切にすることでもあります。
過去を後悔したり、未来を憂いたりするのではなく、今ここにいる自分をしっかりと感じる。これだけで、私たちの心はずいぶんと安定していきます。
明日はまた新しい一日がやってきます。だからこそ、今日という日を大切に、無理のないペースで過ごしてみませんか?
一歩ずつ焦らずに、「未来を心配しない練習」を今日から始めてみましょう。
ライター:石井 り佳/Rika Ishee
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