「クローゼットに冬服を詰め込むスペースがない…」
「去年買った冬服、結局ほとんど着なかったな…」
「また冬物のクリーニング代がかさんでしまう…」
冬物の衣替えシーズン。こんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか?
ある日のことです。
仕事と家事の両立に追われ疲れ切った私は、ふと大量の衣類を見て思いました。
「この服たち、本当に冬だけのものなのだろうか」
クローゼットの中には、春先まで着られそうなニット、秋口から活躍するカーディガン。よく見てみると、工夫次第で長いシーズンで着回せる服がたくさんありました。
賢い服選びと整理の仕方次第で、多くの洋服は長いシーズンで活躍してくれます。
そして、この洋服たちを整理しよう!そう決意したのです。
ミニマリストが選択するワードローブ。
それは単に洋服を減らすということではありません。
この記事では、毎日を忙しく生きる女性が実践できる、通年で使えるワードローブ作りのコツをお伝えしていきます。
シンプルでありながら、自分らしいおしゃれを楽しめる。そんなスマートな服選びのヒントが、きっと見つかるはずです。
通年ワードローブの必要性とメリット

近年、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
真冬でも暖かい日があれば、真夏でも肌寒い日がある。
従来の「四季」という概念が曖昧になってきているのです。
また、共働き世帯が増加する中、働く女性の時間的制約も年々厳しくなっています。
朝の限られた時間の中で服を選び、季節の変わり目には衣替えに追われる。クリーニングに出したら、その服を取りに行く時間も捻出しなければなりません。
このような状況だからこそ、通年で着られるワードローブがクローゼットにそろっていたらどうでしょうか?
より、暮らしが豊かになると思いませんか?
実際、通年ワードローブを意識することで、以下のような3つの大きなメリットを得ることができます。
1. 経済的なメリット
まず挙げられるのが、家計への好影響です。季節限定の服を減らすことで、クリーニング代を大幅に抑えることができます。また、「これは冬用」「これは夏用」という区分けが減ることで、同じような服を重複して購入するムダも自然と無くなっていきます。
2. 時間の節約
朝の準備時間が大幅に短縮されるのも、大きな魅力です。通年で着られる服を中心に組み立てたワードローブなら、季節を問わずコーディネートがしやすく、朝の服選びにかける時間を削減できます。また、年2回の大がかりな衣替えの手間も最小限に抑えることができます。
3. 心理的な余裕
「この服、まだ着られる?」
「これはもう季節外れ?」
そんな日々の小さな判断の積み重ねは、実は大きなストレスとなっています。通年で着られる服を軸にワードローブを組み立てることで、そうした判断の機会を減らすことができます。結果として、服選びにまつわるストレスから解放され、心理的な余裕が生まれるのです。
これらのメリットは、単に「物を減らす」という発想からは得られない、質的な変化をもたらしてくれます。
では具体的に、どのように通年ワードローブを作っていけばよいのでしょうか。
ワードローブの見直し方

では、通年で活躍するワードローブを作るための具体的な方法を見ていきましょう。
■まずは現状を把握する
通年ワードローブ作りの第一歩は、自分の持ち物を知ることです。まずは、すべての服を一度出してみましょう。その際、以下の3つの観点で分類してみることをおすすめします。
1. 着用頻度
「よく着る服」「たまに着る服」「ほとんど着ない服」に分けてみましょう。この時、「いつか着るかも」という願望ではなく、「実際にどれくらい着ているか」という事実に基づいて判断することが大切です。
2. 着用シーズン
それぞれの服を、「通年着られる」「夏のみ」「冬のみ」のように分類します。ここでのポイントは、自分の感覚を大切にすること。同じニットでも、薄手で春先まで着られるものもあれば、厚手で冬限定のものもあります。
3. コーディネートのしやすさ
「どんな服とも合わせやすい」「特定の服としか合わない」など、コーディネートの汎用性も重要な判断基準です。
■通年で着られる服の選び方

通年活躍する服には、いくつかの共通点があります。
【素材選びのポイント】
・コットン:薄手なら夏も、厚手なら冬も活躍
・ウール:軽い素材なら春秋も着用可能
・ポリエステル混:シワになりにくく、オールシーズン使いやすい
【カラー選びの基準】
・ベーシックカラー(ネイビー、グレー、ベージュなど)を中心に
・季節感の強い色は控えめに
・トーンを揃えることで、季節を問わずコーディネートしやすい
【サイズ感の見極め方】
・少しゆとりのあるサイズ選び
(レイヤードスタイルにも対応できる)
・体型の変化を考慮した余裕
・着丈は体型や好みのシルエットに合わせて
■季節限定アイテムの扱い方
すべての服を通年使用にする必要はありません。真冬や真夏用の服は、以下のような基準で最小限を残しておくと良いでしょう。
・本当に必要な枚数を見極める
(週間の使用頻度×洗濯のサイクルを考慮)
・収納場所を決めて、必要な時だけ出し入れ
・毎年の使用頻度をチェック
(使わなかったものは次シーズン前に見直し)
このように、計画的に見直しを進めることで、自然と使いやすいワードローブが完成していきます。ただし、一度にすべてを変える必要はありません。少しずつ、自分のペースで理想の形に近づけていきましょう。
通年ワードローブを実現する具体的な方法

さて、ワードローブを見直し終えたら、いよいよ実践的な通年ワードローブ作りに入っていきましょう。
■基本のアイテムリスト
通年活躍する代表的なアイテムをご紹介します。
【トップス】
・白の綿シャツ
・ベーシックカラーのニット
・薄手のカーディガン
・長袖カットソー
【ボトムス】
・黒のストレートパンツ
・デニム
・タイトスカート
これらのアイテムは、それぞれの組み合わせで春夏秋冬に対応できます。
■レイヤードスタイルのテクニック
1枚で着るだけでなく、重ね着を工夫することで長いシーズン着回せます。
・薄手のインナーを活用
(暑い時期は1枚で、寒い時期は重ね着の土台に)
・カーディガンやジャケットは羽織り代わりに
・スカーフやストールでアクセントを
■賢いメンテナンス方法
通年着る服だからこそ、適切なケアが重要です。
・こまめな手洗いを習慣に
(クリーニング依存からの脱却)
・型崩れ防止のための正しい干し方
(干す際にはあらかじめシワを伸ばしておく)
・保管時の湿気対策
(防虫剤と除湿剤の使い分け)
■新規購入時の判断基準
新しい服を加える時は、以下の点をチェックしましょう。
・既存の服と3通り以上のコーディネートができるか
・手持ちの服と素材感が調和するか
・自宅でのケアが可能か
・体型の変化にある程度対応できるか
これらの基準を意識することで、より長く、大切に着られる服選びができるようになります。
おわりに

ここまで、通年で活躍するワードローブ作りについてご紹介してきました。
季節を超えて着回せる服を中心に据えることで、収納の悩みや衣替えの手間から解放され、毎日の服選びがもっと楽しくなるはずです。
大切なのは、一気に完璧を目指すことではありません。
まずは、お手持ちの服の中から、通年活躍できそうなアイテムを見つけることから始めてみましょう。そして少しずつ、自分らしい着こなしやメンテナンス方法を見つけていけばいいのです。
結果的に服の数は減るかもしれません。
でも、それは決して「我慢」ではなく、自分にとって本当に心地よい服との出会い直しなのです。毎朝のコーディネートが楽しみになり、お気に入りの服との新しい組み合わせに胸が躍る。そんな、新鮮な感覚を味わえるようになるかもしれません。
今日から、あなたのクローゼットの中の「通年で着られる服」を、新しい目線で見直してみませんか?
そこには、今までと違った魅力や可能性が眠っているはずです。一着一着との対話を通じて、あなたらしい快適なワードローブを作り上げていきましょう。
ライター:大坪えみ
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