- 物価上昇で将来が心配
- インフレに備える方法を知りたい
- 預金で貯めるのはよくないと聞いた
インフレによる物価の上昇が続いています。先行きがわからない中、どうすればいいか悩む人は多いです。
この記事ではインフレによる影響や個人でできる対策について解説します。記事を読めばインフレについて理解でき、将来に備えて自分ができる対策がわかります。具体的な対策やインフレに強い資産を知りたい人は、最後までお読みください。
インフレとは

一般的には、インフレになると景気が良くなります。給与が増えて購買意欲が上がり、経済が好循環する良いインフレと呼ばれる状態です。一方、物価上昇により経済の停滞を招くインフレは、給与が上がらないため悪いインフレと言われます。
インフレによる影響

インフレによる影響は以下のとおりです。
- 物価の上昇
- 預金価値の低下
物価の上昇
インフレになると、食料品や生活用品、各種サービスなどの料金が上がります。給与が上昇しないインフレの場合は、物価の上昇により生活が苦しくなる人が多いです。人々の消費が食品や生活必需品中心となり、趣味や娯楽への支出が減ったり、買い控えが起こったりします。
預金価値の低下
インフレでは現金の価値が下がるため、貯めている預金の価値も下がります。例として100万円の車を買うために10年かけて100万円を貯めた場合を考えます。インフレにより年2%の物価上昇があると、10年後の車の価格は約122万円です。つまり10年前の100万円の価値が下がったことになります。
また、老後資金を現金で貯めている場合はインフレで預金の価値が下がり、実際の老後では資金が不足する可能性があります。
インフレ対策3選

インフレ対策には政府が行うものと個人ができるものの2種類があります。政府は金融政策や財政政策を行い、インフレの抑制を図ります。個人ができるインフレ対策は以下の3つです。
- 節約する
- 収入を増やす
- 資産を増やす
節約する
節約はインフレの物価上昇に対する1つの対応策です。収入が増えなくても支出を減らせば、よりお金を貯められるからです。節約のポイントを紹介します。
- 固定費を減らす
- なんとなくを見直す
- 本当に大切な物にお金を使う
固定費を減らす
固定費は毎月決まって発生する支出です。固定費を減らすと大きく節約できます。おすすめはスマホ料金の見直しです。三大キャリアを利用している場合、格安SIMに変えるだけで月に数千円ほど節約できる可能性があります。様々な格安SIM会社があるので、プランや家族割引などを比較しながら、自分に合ったものを選べます。スマホを見直す場合、ネット回線も同時に見直すのもよいでしょう。同じ会社に揃えると、さらにお得になる場合があります。
何気ない習慣を見直す
飲み物を自動販売機で購入する、仕事帰りはコンビニに寄るなどの、何気ない習慣の見直しが節約になります。まずは家計簿を1週間分つけてみましょう。自分が何にお金を使っているかを把握し、改善できそうな点を考えます。例えば、飲みものを持参する、コンビニでお菓子を買う頻度を決める、週に1回は昼食を持参するなど、取り組めそうなことを1つ決めてみましょう。小さな積み重ねが節約につながります。
大切な物にお金を使う
持ち物を見直すことも節約につながります。不要な物を持っていると管理費がかかり、収納スペースも必要だからです。自分の持ち物を見直し、必要な物や大切な物だけに整えましょう。大切な物と過ごすと心地よさにつながり、生活の満足度も上がります。物を買う時に、必要性を考えてから購入する習慣をつければ、衝動買いや不要な買い物を減らせます。
収入を増やす

収入を増やすこともインフレ対策です。具体的な方法を以下に示します。
- キャリアアップする
- 転職する
- 副業をする
キャリアアップする
仕事のキャリアアップにより、給与が上がる可能性があります。資格の取得や昇進試験など、自分のキャリアアップにつながる行動を考えましょう。また、新たなスキルや知識を身に着けると、業務の効率化や自己成長にもなります。終身雇用制を採用している企業は減少しているため、自分のキャリアを積み上げることが大切です。
転職する
給与を上げるために転職をするのも一つの方法です。現職での昇進や昇給の見込みが低い場合や、労働条件が厳しい場合などは転職も視野に入れましょう。働きながら転職活動をする時間がない場合は、転職エージェントを利用すると効率的に行えます。情報提供や履歴書作成のアドバイス、面接練習などのサービスも受けられます。
副業をする
副業で収入を増やす方法もあります。手軽に始めるなら、クラウドソーシングサイトの活用がおすすめです。クラウドソーシングと呼ばれるインターネットを活用した業務委託の雇用形態で、代表的なサービスにクラウドワークスやランサーズがあります。初心者はアンケートの回答や体験談のレビュー投稿、実務や趣味で経験のある場合はWebデザインや動画編集、ライティングなど自分に合う仕事を探してみましょう。イラストやハンドメイドが得意な場合は、minneやCreemaなどのハンドメイドマーケットで作品を販売する方法もあります。
資産を増やす

資産を増やすことはインフレによる将来の物価上昇への備えになります。インフレでは現金の価値が下がるため、現金や預金、年金以外の資産を選ぶことが大切です。インフレに強い資産として、投資と実物資産を紹介します。
投資
投資では、投資信託をおすすめします。投資信託は、複数の銘柄がセットになっているため、個別の銘柄を選んで購入する手間がありません。また、運用はプロの運用会社が行います。投資信託の購入にNISAを活用すれば、税制面でお得に投資が可能です。
NISAとは、少額投資非課税制度です。銀行や証券会社でNISA口座を開設し、その口座を利用して投資信託を購入します。NISA口座では投資できる上限金額がありますが、投資で得られた利益は非課税となります。2024年1月の改正で、利用額の拡大や非課税保有期間の無期限化などの変更があり、さらに利用しやすくなりました。長期的な資産形成として、老後資金にもおすすめです。
金融庁.NISAを知る.https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/.(25.01.29)
実物資産
実物資産の保有もインフレ対策におすすめです。実物資産とは、金やプラチナ、不動産などで実際に形があり、価値のある資産を言います。実物の資産自体に価値があるため、インフレ時でも現金のように価値が下がりません。管理や盗難対策は必要ですが、インフレに強く、有形資産としておすすめです。
インフレ対策の3つの注意点

紹介したインフレ対策には注意点があります。以下の注意点を理解してから取り組みましょう。
- 無理な節約はしない
- 本業に支障が出ないようにする
- 投資のリスクを理解する
無理な節約はしない
お金のために無理な節約を行うのは、心身共に苦しいです。食費を削って栄養バランスが崩れたり、遠くのスーパーをはしごしたりなどは負担が大きいので避けましょう。また、物の購入や趣味を制限すると、ストレスがたまる原因にもなります。無駄遣いを減らしたり、欲しいものを選んで買ったりなど無理のない範囲で行いましょう。
本業に支障が出ないようにする
スキルアップの勉強や副業に取り組む場合は、本業に支障が出ない範囲で行いましょう。睡眠時間を削ったり、プライベートをなくしたりすると、心身の不調や本業のパフォーマンス低下につながるおそれがあります。仕事の業績の低下は、給与が下がるリスクもあります。本業とのバランスを考えながら取り組みましょう。
投資のリスクを理解する
投資にはリスクが伴います。生活に必要なお金は現金や預金で確保したうえで、余剰金を投資にまわしましょう。投資は価格の変動があり、資産が減少する可能性もあります。長期的な視点で資産形成を考え、短期の変動を気にしすぎないことも大切です。
投資先を一つにすると、下落時のダメージが大きいです。投資信託のように複数の銘柄が組み合わさった商品を選んだり、異なる種類の資産を保有したりすることで、リスク分散になります。
インフレに正しく備えよう

インフレの影響には、物価の上昇と預金価値の低下があります。個人ができる対策は以下の通りです。
- 節約する
- 収入を増やす
- 資産を増やす
支出を減らせばお金が貯まります。スマホ料金や何気ない習慣の見直し、必要性を考えてから購入するなど無理のない範囲で節約を行いましょう。収入を増やすための自己研鑽や副業は、スキルアップやキャリア形成につながります。本業とのバランスを考えながら、取り組んでみるのもよいでしょう。
資産を増やして将来に備えることも大切です。投資や実物資産はインフレに強い資産なので、インフレに備えた長期的な資産形成に適しています。ただし、投資はリスクを伴うことを理解して行うことが大切です。インフレに備えることは、将来の備えにもなります。インフレを正しく理解し、個人でできる対策に取り組みましょう。
ライター:玉木まり
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